「機動戦士ガンダム」
On Air:1979.4.9〜1980.1.26・NAGOYA TV

地球連邦軍試作型白兵戦用モビルスーツ
RX-78-2 ガンダム
「バンダイ 1/100 MG RX-78-2 GUNDAM Ver.2.0」

■MG ガンダムVer..2.0

「その時点で実現可能な最高のプラモデルを作る」
マスターグレードはこのコンセプトの元、進化し続けてきました。
初代MGガンダムの発売から13年目にして初代ガンダムの真打ちとして登場したガンダムVer.2.0
何度か時代にあわせた姿でリファインされてきたガンダムですが、2.0のデザインは何とアニメ作画のイメージを尊重したデザインでした。
一見するとクラシカルな外観ですが、積み重ねられた技術による内部フレームのアクションとギミックは2.0の名に恥じないアイテムです。
そこで今年ガンプラ30周年の第1作目はこの「MG ガンダムVer.2.0」をベースに、
今もなお語り継がれる”伝説の白いモビルスーツ”をアニメイメージ優先で仕上げてみようと思います。

■キット素組み

バンダイの最新技術が惜しげもなく注ぎ込まれた本キット。
説明書通り組み立てていけば、誰もがこの初代ガンダムを手にすることができます。
しかし、モデラー視点から何点か気になった箇所もあります。
※ちなみにこれらのポイントは気にならなければ問題ないです。

・爪先が短い
・手(拳)がやや大きすぎる
・指が四角い
・腰アーマー周りの段違い分割ライン
・スネが短い

スジ彫りなど細部ディテールは極力控え、外部ラインの改修によって理想のプロポーションを目指します。



■脚部〜脛フレーム+装甲の延長

脛がちょっと短い印象がありますので延長していきます。
マスターグレードは内部フレームが存在するので延長工作は難易度があがりますけど臆せずいきましょう。
足首受けパーツJ-6と脛側パーツJ-10の接合部を若干浮かすことにより脛フレームの延長が可能です。
(もちろん後ほど強度アップの補強工作は必須になります)
脛装甲は内部フレームとの接続部分を避けつつ、中央のくびれ部分からカット。
プラ板を挟み込んで延長工作を行います。















■脛装甲の延長

エッチングノコでカット、1.2oプラ板を2枚挟んで計2.4ミリ延長。
接着にはwave「×3G高強度」の瞬間接着剤を使用してます。
このとき接着表面をヤスリで荒らしておくと食い付きが良くなります。
さらにフレームに組み込みながら接着、調整すると歪みが生じません。

■比較画像

内部フレームとの干渉部分を入念にチェックしながら削り取ります。
電動リューターで大まかにカット>削り、金属ヤスリで仕上げていきます。
(最後は手作業で、ラインの繋がりを確認しながらじっくり仕上げていきます)

>>左が延長後、右ノーマル

■ヒザ装甲

薄く、ボリュームに欠ける感じがしたのでボリュームアップ。
脚の接合ラインに1.2oプラ板を曲面に馴染ませながら接着。
一部複雑なラインにはエポキシパテを「ムギュ」と詰め込んで型取り、整形しました(色が違う箇所です)
さらに側面、上部が正面から見ると台形になっているラインを肉厚ギリギリまで削り込んでストレートなラインに修正しました。
















■関節丸モールド

連邦系モビルスーツ(ガンダム、GMタイプ)の特徴である丸モールド。
Ver.2.0で採用されたモールドは少し中途な印象を受けます(画像1枚目右パーツ)
初代RX系MSはシンプルなデザインなだけに関節周辺はきっちり引き締めてメリハリを付けたいところです。
そこですべての関節丸モールドをHQパーツさんからリリースされている「ツインサークルII」に置き換えます。
直径5o〜13mmまで9種類揃っているので、おおよそのサイズに対応できるのが強み。
さらに内部モールドもシャープなうえ、別パーツ構成なので塗り分ける場合は便利です。
もちろんそのままでは取り付けなれないので内部加工は必要です(画像2枚目)

■足首〜爪先ラインの修正

Gファイターへの合体を考慮したためか、足首パーツが小さすぎる印象を受けます。
そこで本キットの可動ギミックの売りである爪先の独立可動を殺さないようにラインの修正を行います。
爪先パーツA-14をエッチングノコでカット後、エポキシパテをくさび状に充填し角度修正。
長く延長するのではなく爪先のラインを引き起こすのがポイントです。

■脚部パーツ全体の確認

脚部パーツ全体を組んでみた状態(画像右:ノーマル)
スネの延長、ヒザ装甲の大型化、爪先ラインの再構成によってスマートでメリハリの付いたフォルムになりました。
好みにもよりますがガンダムの脚は「ヒザ>ふくらはぎ>スネ>足首」のバランスとライン取りが重要だと思います。
(特にダム分!)




■腕部〜拳パーツの交換

Ver.2.0の標準パーツである可動指を有する拳パーツ。
好みにもよりますが、このガンダムではちょっと大きすぎるのと全体のフォルムから角指は似合わないと判断。
そこで先日発売された「コトブキヤ 丸ハンドB」(630円)をセレクト。
武器の持ち手には加工が必要ですが、ご覧の通り大きさ・バランス・ディテール共に良好です。
それぞれ「握り拳、武器持ち手、平手」とVer.2.0の可動指タイプも製作します。
肘の丸パーツはヒザ関節と同様「ツインサークルII」に交換。






■胴体ユニット

コアファイターを内蔵しつつ前後・左右の可動域を持つバンダイ技術の結晶ともいえるパーツ構成です。
大きさ・バランス共に良好ですので、細部で気になった箇所に手を加えていくことにします。
まず胸部の排熱ダクトが小さめに感じたのでフィンをプラ板に貼り付けてアニメ作画っぽく長方形に。
あわせて整形時にフィンのエッジをシャープに研ぎ立てました。
これによりパーツNo.H-3,H-4に干渉する箇所は削り落とし、さらに青い外部パーツの干渉部もヤスリで整形。
コクピットハッチのリブは外観を損ねる感じがしたので削り落としました。





■腰ユニット〜アーマー形状修正

2.0ではじめて解釈された段違いの分割ラインになった腰アーマー。
このままでもいいのですが、やはりここは見慣れたシンプルなラインへと修正します。
まず両サイドのアーマーの幅を詰め、プラ板で側面を新規作成。
フロント・リアアーマーの段差ラインにはこちらもプラ板を貼り付けストレートなラインに。
言葉ではなかなか伝わらないと思いますので画像で判断していただければ。






■ヘッドパーツ

2.0最大の見せ場の頭部。
合わせ目が発生しないパーツ構成とサイドインテイク、マスクのスリット開口など、まさに新基準といえるべき内容です。
というわけでキットの素性の良さを活かしつつ、好みで手を加えていきました。
まずキットのままだとアゴが少し控えめな印象だったのでプラ板を貼り付けてから削りこんで大きさとライン修正。
そして、マスクのふちを若干削り、頬のラインを細く彫り直しました。
バルカンの砲口は金属パーツへ変更します(この金属パーツは暫定版です)
アンテナは作業中に先端が欠けると怖いので、最後にシャープに仕上げます。





■腰フレーム+ランドセル

立ちポーズが決まりやすくなるように股関節ポリキャップを前方に移動させました。
ランドセルのバー二アは金属パーツ(2パーツ構成)に交換。
バランスは劇中作画を基準にこのくらいの大きさで。












■Aパーツ〜首関節の調整

キットのままだと頭部が埋まった印象を受けたので首基部ボールジョイントパーツ、H-14の軸を1.5ミリほど延長。
さらに胴体側のフレームパーツH-10の取り付け穴を後部へ、移動。
この作業で黄色い襟パーツが干渉するのであわせてこちらも調整しました。
(左:改修後、右:ノーマル)

■RX-78〜安彦版ガンダムへのアプローチ

首フレームの改修によって、より人間に近いバランスに変更されたのが確認できると思います。
これらの改修は胸を張った、特に立ちポーズで効果を発揮します。
またフレームとの干渉ポイントも抑えることができたので可動範囲がさらに広がりました。











ハイパーバズーカ

「ア・バオア・クー最終決戦仕様」を再現すべく2門製作。
合わせ目が比較的生じない見事なパーツ構成には脱帽です。
ただ少し精度が甘い箇所に手を入れてみました。
両脇にある凹モールドを一旦ピンバイスで開口しwave「Oボルト」を埋め込みディテールアップ、排気口フィンのエッジを削ってシャープに仕上げました。


■ビームライフル

ハイパーバズーカ同様、Ver.2.0基準だけあって合わせ目が生じないパーツ構成。
大きさ、バランス共に劇中のスタイリングでファーストファンにはたまらない造形です。
さらにスコープのパーツA-23をプロショップ限定「クリアバージョン」から透明パーツへコンバート。

■ガンダムハンマー&ハイパーハンマー

2.0基準のクオリティはハンマーにも反映されていて素晴らしい出来です。
ハイパーハンマーは「MG Gファイター」から。
トゲ先端を1本ずつシャープに削り出していきました。
(ライフルの透明スコープ、ハイパーハンマー提供:どーもとさん)スペシャルサンクス!






■ガンダム2.0〜サフェイサーチェック中

中性洗剤で洗浄後、ビン入りサフェイサー1000番をエアブラシで吹き付け、各パーツ表面の状態を確認。
キズが残っている箇所は耐水ペーパーを当て、再度パーツ洗浄>サフ吹き。
このとき関節など可動箇所の擦り合わせを行い塗装後の塗膜剥がれを抑止します。









■ガンダム2.0〜只今塗装中

ガンダム塗装中です。
塗装工程に入ってしまうと なかなか更新できませんが、なるべく定期的に画像をUPしていきたいと思います。
というわけでもないですけど改修後の全身を初UP(後姿で申し訳御座いません・・・)
脚部延長、ライン・ボリューム調整、可動軸の位置変更などの改修を経て、劇中で描かれたあのすらっとしたプロポーションに近づいたと思います。

■内部フレーム

幅広い可動範囲と高いアクション性を実現可能とした内部フレーム。
そしてガンダムの高い性能を表現するような精密なディテールが全身に施されています。
外装パーツを装着するとほとんど見えなくなりますが、スミ入れまできっちり塗装して仕上げてみました。
(関節を動かすとチラリ、と見える箇所もありますし油断できません)
一部シリンダーパーツなど外装パーツの兼ね合いがあるので後から取り付けます。

■シリンダーパーツ+足裏

こちらも外装パーツを装着するとほとんど見えなくなるのでシャッターを切ってみました。
ダンパーはフレームカラーに合わせてミリタリーグレー。
(ファーストMSは渋い配色で仕上げたいところ)
シリンダー部はスーパーファインシルバーを塗装後、クリアーコートで艶出し+塗装面を保護。
足裏のバー二アはバランス、ディテール共に良好なので、黒>パール塗装でメタリック塗装を施してみました。













■MGガンダムVer.2.0〜完成まで何マイル?

マーキング>トップコートを終え、塗装のためばらしていたパーツを組み立て中。
ガンダムは一部金属パーツの表面仕上げを残すのみ。
そしてコア・ファイター完成。

















■MG ガンダムVer.2.0〜完成

全パーツの最終工程を経てようやく完成しました。
(画像クリックでジャンプします)
































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